食サポコラム
ご高齢者の方と窒息 ①
こんにちは。湘南食サポート歯科事務局の片山です。
65歳から84歳までのご高齢者の方の死因は、不慮の事故が第5位となっています。
不慮の事故には交通事故や火災、転倒・転落、窒息等で亡くなられた方々が含まれます。
平成26年の人口動態調査では、交通事故で亡くなられた方が5717名であったのに対し、窒息で亡くなられた方はその約1.7倍の9806名です。
毎年多くの方が亡くなられている窒息を①と②に分けて、食サポブログのテーマにさせていただきます。
窒息で先ず思い浮かぶのはお正月のお餅だと思います。しかし窒息はお正月に限ったことではなく、年中さまざまな食品で起きています。
窒息の原因となる食品は多岐にわたり、おにぎりを含む米飯、お餅、パン、お粥などの穀類での窒息が一番多く。その他お菓子類、魚介類、果実類、肉類、いも、でん粉類でも窒息が起きています。
また窒息は、食べものだけでなく、喀痰などが気管へ入る誤嚥でも発生します。
なぜご高齢者の方たちを中心に窒息は起きてしまうのでしょうか。
ある調査では、窒息で救急搬送された患者様の82.4%が65歳以上のご高齢者の方で、そのうち6割の方がご逝去されています。
通常では食べものが咽につまった際にはむせることで、食べものを吐き出し窒息を防ぎます。しかし加齢に伴う咽、口腔、咽頭、食道などの筋力が低下し、詰まった食べものを吐き出そうとする咳嗽反射が弱いために窒息を招いてしまいます。
窒息を防ぐためには
- 一口量を多くしない
- 一口30回を目標によく噛む
- 食べることに集中する
- 飲みこんでからおしゃべりする
これらの取り組みで窒息は減らすことができると言われています。
日本歯科大大学附属病院の菊谷武先生が行った調査では、「認知機能の低下」、「食の自立」、「臼歯部咬合の喪失」が窒息の危険因子であると発表されています。
つまり、奥歯のない、認知症で、自食のご高齢者の方たちは、お食事の際に窒息を起こしやすいという認識を持って見守りを行うことが重要となります。
さらに、ご高齢者の方にとって楽しみであるお食事を安全に摂っていただく為に、その方の嚥下や口腔内のご状態に合わせた食形態でのお食事のご提供なども窒息を防ぐポイントになります。
食サポブログ、ご高齢者の方と窒息②では、重度で食事介助などが必要な方たちに対する窒息に対して、どの様なことに気を配れば良いかをご紹介させていただきます。
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