食サポコラム
だ液の役割 ③
こんにちは湘南食サポート歯科事務局の片山です。
今週の食サポブログは、これまで3週にわたってご紹介させていただきました。
だ液の役割をテーマに、だ液が持つ様々な有用な作用をご紹介させていただき、今号はそのテーマの最終回となります。
前回までの①・②に続き、今号ではだ液が持つ8つの有用な作用のうち、
①溶媒
②ペーハー(PH)緩衝
③歯の保護と虫歯予防(再石灰化)
に関してご紹介させていただきます。
- 溶解作用(溶媒作用)
だ液がもつ溶解作用(溶媒作用)とは、 食べものに含まれる味物質がだ液の中に溶け込み、味覚を感じさせる作用を言います。
食べ物の味を感じるのは舌の味蕾という器官で、だ液のもつ溶解作用(溶媒作用)が味蕾に味を感じさせるように促進させる効果があります。
味覚には、味わいを楽しむだけでなく、食べ物の安全性の確認を一瞬で判断する大切な役割もあります。
すっぱいものや苦いものを口に含んだときに、反射的に口に含んだものを吐き出してしまうのは、味覚がすっぱいものや苦いものを毒物と判断し、反射的に大量の水のようなだ液を出し、吐き出すことを無意識のうちに促すからです。
摂食嚥下機能の低下が認められるご高齢者の場合、だ液の分泌を促し、口腔ケアなどを通じて味蕾をきれいな状態にしておくことで、お口の中にある食物認知を助ける味覚へはたらきかけ誤嚥のリスクを軽減できる効果が期待できます。
- ペーハー(PH)緩衝
お口の中は通常ではph6.8~7.0で中性を保っています。
食べ物や飲み物を通じて糖分を摂取するとPHは酸性に傾きPH5.5以下になると人間の体の中で最も硬い組織である歯を 構成するエナメル質が、酸によって容易に溶解してしまいます。
PHが酸性に傾いた環境を中和させる機能のことをPH緩衝作用といいます。
緩衝作用の働きをする唾液中の成分が重炭酸塩やリン酸塩です。
これらは酸を中和しPHを一定に保ち細菌の発生する酸や酸性食品から歯の溶解を防いでいます。
- 歯の保護と虫歯予防(再石灰化)
だ液には歯の保護と虫歯予防をする作用(再石灰化)があります。
歯の成分にはカルシウムが多く含まれます。
カルシウムは酸に対して弱く、お口の中が酸性の状態が長く続くと歯の成分が溶け出し虫歯の原因となります。
これを「脱灰(だっかい)」といいます。
だ液には脱灰した歯を再石灰化をして、初期の虫歯を治す役割も持っています。
日々の口腔ケアを通じてお口の中の状態を清潔に保ち、清潔なお口の中でだ液の分泌を促すことで様々な有用な作用が発揮されます。
口腔ケアを行われる際には、是非だ液の分泌量にも注目しながら口腔ケアを行っていただきたいと思います。
お口の中が乾燥してしまう口腔乾燥は、口腔機能低下症の症状の一つで、専門医に介入を依頼するきっかけの一つとなります。
専門医による口腔機能低下症の診断や歯科衛生士による衛生指導に関するご質問やお困りごとがありましたら、湘南食サポート歯科まで是非お気軽にご相談ください。
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