食サポコラム
インプラント周囲炎
湘南食サポート歯科事務局の片山です。
近年インプラント治療を受けられる方の増加に伴い、インプラントに関連するトラブルが増えています。
今回の食サポブログではインプラントをテーマにインプラント治療とインプラント周囲炎に関してご紹介させていただきます。
インプラントとは、体内に埋め込む医療機器や材料の総称です。
心臓のペースメーカー、人工関節、美容整形の目的で体内に埋め込むシリコン材料等は、いずれもインプラントです。
歯が無くなった場合に顎骨に埋め込む人工歯根もインプラントの一つであり、正確には歯科インプラントと呼ばれます。
治療としてのインプラントは、古くは3世紀頃のローマ人の上顎の人骨から鉄製のインプラントが埋まっている骨が発見されています。
このように、インプラントの歴史はとても古いのですが、治療法として確立されはじめたのは1980年代以降と比較的最近です。
インプラント治療の利点は残っている歯を削ったり、残っている歯に義歯を安定させたりするための装置を付けたりすることを行わないので、残っている歯に負担をかけずに治療を行うことができ、義歯をしっかりと固定できることです。
インプラント治療の欠点は、保険適応外となるために費用が高額となること。
インプラントを埋入するための手術を受ける必要があるため、全身状態が良好でない場合には適用が難しいことなどがあります。
現在の歯科インプラントはチタン製で骨と結合するのですが、そのチタンは粘膜との結合が強くないため、天然歯と比較すると感染に弱く、インプラント周囲の組織はインプラント周囲炎という病気になってしまうことがあります。
インプラント周囲炎は、天然歯の場合の歯肉炎に相当する「インプラント周囲粘膜炎」と、天然歯の場合の歯周炎に相当する「インプラント周囲炎」の2つの病態に分けることができます。
インプラントは人工物なので、虫歯になることはありませんが、インプラント周囲の組織は油断をすると病気になってしまうので徹底したプラークコントロールによって細菌感染を防ぐ必要があります。
プラークコントロールを行う際には、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやタフトブラシのような補助清掃器具も使うとより効果的です。
インプラント周囲炎も天然歯の歯周病と同様に痛みなどの自覚症状現れにくい為にその症状の進行に気付かないことがあります。
インプラント周囲炎をそのままにしておくと、歯を支える歯槽骨の破壊が始まり、インプラントそのものの存在を脅かしてしまうので、定期的なメンテナンスでインプラント周囲炎の予防と早期発見がとても重要となります。
お口の中の状態は人それぞれ違いますので、その方のご状態にあった磨き方の指導を歯科医師・歯科衛生士より受けられることをお勧めいたします。
歯科訪問診療でお困りの方がいらっしゃいましたら是非湘南食サポート歯科までお気軽にご相談ください。
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