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食サポコラム

口腔機能低下症のサイン② 

湘南食サポート歯科事務局の片山です。

 今回の食サポブログでは先号でご紹介出来なかった口腔機能低下症のサインをご紹介させていただきます。

 

④口腔乾燥

口腔乾燥とは唾液の分泌量が低下してお口が乾いた状態のことをさします。

口腔乾燥は加齢やストレスに伴う唾液の分泌量の低下。糖尿病などの疾患、そしてお薬(抗うつ剤、鎮痛剤、抗パーキンソン剤、降圧剤)の副作用として唾液分泌の低下が生じることがあります。

口腔乾燥のサインとしては。唾液分泌量が低下に伴う口腔内の乾き、強い口臭、舌表面のひび割れなどがあります。

口腔乾燥に対する有効な手段は保湿性薬剤や保湿ジェル、夜間の乾燥を防ぐ保湿用マウスピース、夜間義歯の使用などがありますが、重要なのが水分補給を積極的に促すことです。

 

⑤ 口腔不潔

口腔不潔とは、ご高齢者のお口の中で微生物が異常に増加した状態で、そのお口の中の微生物の増加に伴い、唾液中の微生物も増加し誤嚥性肺炎、術後肺炎、術後感染や口腔内感染症を引き起こす可能性がある状態をさします。

口腔不潔の状態を知るには、細菌カウンターという専門道具を使用して測る方法と目で舌苔の付着程度を測る方法があります。

舌苔が多く舌に付着している=お口の中の微生物量が多い、とご認識いただき、それを口腔不潔のサインとご理解いただければ良いと思います。

 

⑥ 舌口唇運動機能低下

舌と口唇は咀嚼、嚥下、発音、呼吸といった重要なお口の機能を中心的に担っています。舌口唇運動機能の低下の原因は加齢だけでなく、脳血管障害、パーキンソン病などの神経筋疾患、外傷、頭頸部手術の後遺症、廃用症候群に伴う筋委縮、低栄養などが考えられます。

舌口唇運動機能の低下を知る方法として、「パ」「タ」「カ」をそれぞれ単独で繰り返して発音を行い、5秒間での合計発音数を計測して、1秒あたりのそれぞれの発音回数を算出する方法があります。

お食事の前のパタカラ体操、普段の何気ない会話の際に発せられる「パ」音、「タ」音、「カ」音にご注意いただくことで舌口唇運動機能低下のサインに気づいていただくことができるかもしれません。

 

⑦ 低舌圧

低舌圧になると筋肉の塊である舌の慢性的な機能低下によって咀嚼と嚥下に支障が生じて、必要な栄養摂取を行えない状態に至る可能性があります。

最近の調査では、要介護状態のご高齢者の舌圧の低下とむせの発生の関連。更には舌圧と食形態の関連が報告されています。

お食事の際のむせや飲み込みにくそうにされているご様子は低舌圧のサインの1つだと考えられます。

日々の介護を通じて、ご高齢者の口腔機能低下症のサインに気づき、早期での対応または機能維持を図ることがとても重要です。

口腔機能低下症が進行し、摂食嚥下障害にまで進行してしまうと、その機能回復を図るには口腔機能低下症の段階で機能維持を図るより大きな労力が必要となってしまします。

口腔機能低下症のサインに気づかれた際には、是非かかりつけの歯科医、または湘南食サポート歯科までお気軽にご相談ください。

 


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