食サポコラム
歯周病と歯周病が全身に及ぼす影響①
湘南食サポート歯科事務局の片山です。
お口の中だけの病気と思われている歯周病ですが、最近の研究で歯周病は多くの全身疾患と関連があることが分ってきています。
今回から3回にわたって歯周病と歯周病が全身に及ぼす影響をテーマに歯周病、歯周病と疾病の関係、そして歯周病予防の方法をご紹介させていただきます。
全世界で最も蔓延している病気
歯周病はギネスブックに「全世界で最も蔓延している病気は歯周病である。地球上を見渡してもこの病気に冒されていない人間は数えるほどしかいない。」と記されているのをご存知でしょうか。それを裏付けるように30歳以上の5人中4人は歯周病だと言われています。
歯周病はお口の中の細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で歯肉炎と歯周炎というステージに分けることができます。
歯肉炎と歯周炎の違いは炎症の進行度合いが一つの基準となり、炎症が歯肉でとどまっていれば歯肉炎ですが、顎の骨まで及んでいれば歯周炎となります。
歯槽膿漏はこのような歯周炎を放置しておくことで、炎症がさらに進んでしまった状態の重度の歯周病のことをいい、それらを総称して歯周病と言います。
歯周病のメカニズム
私たちのお口の中には300~800種類の口腔内細菌が常在しており、それらの細菌は食べかすや糖質を栄養分として粘着性のある物質を作り出し互いに強く結びつきます。これをプラークまたは歯垢と呼びます。
プラークは主に歯磨きのしづらい、歯と歯肉の境目のポケットと呼ばれる溝や、歯と歯の間などで増殖します。
このプラークの中に含まれる歯周病菌が毒素を出すことで歯肉に炎症が起きることが、歯周病の始まりです。
炎症の起きた状態を放置していると、徐々に歯を支えている周りの組織にまで影響が及び歯槽骨と呼ばれる歯を支えている骨が徐々に溶かされていきます。
歯を支えている骨が溶けてしまうことで歯を支えることが難しくなり、最終的には歯が抜けてしまいます。
歯周病が全身に及ぼす影響
歯周病が進行すると、血液を介して歯周病菌が各臓器に運ばれ、全身疾患に悪影響を及ぼすことが明らかになっています。
誤嚥性肺炎
気管に入った唾液中の細菌などが肺に感染して起こる誤嚥性肺炎。
飲み込む力や咳反射が低下している要介護のご高齢者などは、唾液やプラークなどが気管に入りやすく誤嚥を起こします。
誤嚥で入り込んだ歯周病原性細菌が肺炎を起こしやすくすると考えられており、実際に誤嚥性肺炎と診断された多くの患者様からは歯周病原性細菌が見つかっています。
口腔ケアを行うことで歯周病原性細菌等の口内細菌が減少すると肺炎の発症率が下がることが報告されています。
次号の食サポブログでは、歯周病と糖尿病、骨粗しょう症、冠状動脈性心疾患、そして早産・低体重児出産の関係に関してご紹介させていただきます。
サイレントディジーズ(静かなる病気) と呼ばれ、痛みが出ずに着々と進行していく歯周病。歯周病でお困りの方がいらっしゃいましたら是非湘南食サポート歯科までお気軽にご相談ください。
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