食サポコラム
胃ろうの方の栄養摂取
こんにちは湘南食サポート歯科事務局の片山です。
皆さんは胃ろうに対してどの様なイメージをお持ちでしょうか?
胃ろうとは、嚥下障害や認知症などが原因でお口から食べ物を食べられない人、あるいは誤嚥性肺炎を起こしやすい人が、直接胃に開けた穴から水分や栄養を摂り、全身状態を安定させるための「経管栄養法」のひとつです。
最近では胃ろうに対して逆風が吹いているようで、経管栄養が必要となったに、同じ経管栄養法でも経鼻補給を選択されるケースが増えてきているようです。
今回の食サポブログでは、胃ろうの方の栄養摂取に関してご紹介させていただきたいと思います。
一般的に経管栄養で栄養摂取を行われる方はエンシュア、ラコール、ツインライン等の栄養剤や最近では半固形のニュートリートやメイバランスが良く使用されているようです。
これらの栄養剤の優れた点としては「消化吸収が良好」「栄養価が高い」「溶解性や流動性に優れる」「調整・投与法が容易」「製剤の安定性」などが挙げられます。
また、栄養剤の種類によっては、医薬品として医師の処方で保険適応になることも自己負担金の観点からは栄養剤の優れた点となるかもしれません。
しかしながら、それらの栄養剤は、
- 速く注入すると下痢になる
- 脈や呼吸が苦しそう
- 栄養学的には不完全
- 食事の楽しみがない
などの欠点もあるようです。
神奈川県立こども医療センターNSTでは“胃ろうからミキサー食の注入のすすめ”というとても興味深い発表を行われています。
そこでは、胃ろうから普通のミキサー食を注入することで
- 栄養剤と比べて短時間で注入できる
- 栄養がバランスよく摂れる
- 食事を食べていただける喜びがある
などの栄養剤の持つ欠点を解決する方法として胃ろうからミキサー食の注入をご紹介されています。
同時に、ミキサー食を胃ろうから注入する問題点として、
- 便秘になることがある
- ミキサー食を作る手間がかかる
などの点があげられています。
いつも同じ味、同じ匂いの栄養剤での栄養摂取は、私たちが毎日毎食、同じメニューを食べ続けるのと同じではないかと感じていたので、胃ろうから普通ミキサー食の注入が行えるということに私はとても感銘を受けました。
最近では逆風が吹いている胃ろうですが、正しい適応に従って正しい使い方をすれば、医学的にも、栄養摂取の経路としても有用で患者様のためになるものと考えます。
低栄養からフレイル、サルコペニアの状態になってしまったご高齢者の方、誤嚥性肺炎などでご入院されて、体力が過度に落ちてしまわれた方が一時的に胃ろうを利用して、お口からでは摂取しきれない栄養を胃ろうを通じて摂取していただき、体力の回復を図ることで再びお口から全ての栄養を摂取していただけるになるケースもあります。
胃ろうの方の口腔衛生指導や、ご質問、お困りごとがありましたら、湘南食サポート歯科まで是非お気軽にご相談ください。
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