食サポコラム
舌の機能と役割(舌圧)
湘南食サポート歯科事務局の片山です。
今週の食サポブログでは舌をテーマに舌の機能と役割、そして舌圧に関してご紹介させていただきます。
舌が果たす重要な役割として、舌は味を感じる能力を持っています。
舌には乳頭という多くの小突起があり、その乳頭には約10,000個の味蕾という器官があります。
味蕾が化学物質によって刺激されると、それらがセンサーとなり味を感じてくれます。
甘味、塩味、酸味、苦味、うま味などの味覚、そして熱い、冷たいなどの温度、どの様な食べ物なのかといった形状。
舌はお口の中に入ったものが安全か危険かを瞬時に判別を行うとても重要なセンサーです。
食べ物を摂取する際にも舌はとても重要な役割を果たしています。
- 咀嚼
口に入れた食べ物に咀嚼が必要な場合、食べ物を歯で咀嚼します。
このとき、舌は食べ物を歯と歯の間に移動させる働きをし、また、歯で食ベ物を噛み砕く時に、舌で食べ物を保持します。
何度か咀嚼をすると、粉砕された食べ物が口唇のすきまや舌の上に落ちてくるので、舌はそれらの食べ物を集め、反対側の歯に食べ物を移動させ、再度咀嚼できるように動きます。
- 嚥下
食べ物が十分細かくなると、舌は口腔内の食べ物を集めて咽頭に送り込みます。
咽頭から食道へ食べ物を送り込む際には、舌によって押し出される強い筋力が必要になります。
この様にセンサーとしても咀嚼や嚥下を行う際にも重要な役割を果たす舌ですが、最近では口蓋に向かって最大の力で舌を押し付けることにより生じる最大舌圧が口腔機能評価の一部として評価される機会が増えてきています。
「施設入所高齢者にみられる低栄養と舌圧の関係」という論文で興味深い調査結果が発表されているのでご紹介させていただきます。
この調査で、舌の運動機能における評価の高さと、むせ、食べこぼしの有無の間には相関関係がみられる。
通常食を食べている人は舌の運動範囲、運動速度が良好だが、きざみ食やソフト食等の調整食を食べている人は不良を示す場合が多い。
低栄養になるリスクがある人は舌圧も低い傾向がある。
舌圧の低い人はお食事の際にむせる、食べこぼしてしまうなどで食べ物をうまく摂取することができず、結果として体内に栄養を十分取り入れることができないため低栄養に陥っていると考えられる。
これらのことから介護を必要とするご高齢者の場合、舌の運動機能の良否がその方の栄養状態と関連していることが分かります。
栄養が十分摂取できないと、弱った筋肉が更に弱り、同時に舌の運動機能も落ちてしまうため、ますます低栄養になることがあります。
低栄養を予防するためには、全身の筋力強化と同様に、舌に対するリハビリテーションが必要だと考えられています。
在宅や施設におけるご高齢者の舌圧測定、その他歯科訪問診療でお困りの方がいらっしゃいましたら是非湘南食サポート歯科までお気軽にご相談ください。
医療法人社団若葉会 湘南食サポート歯科
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