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食サポコラム

不顕性誤嚥

こんにちは湘南食サポート歯科事務局の片山です。

皆さんは不顕性誤嚥(ふけんせいごえん)という言葉は耳にされたことがあるでしょうか?

お食事の際に食べ物や飲み物をうまく飲み込むことが出来ずにむせが生じることで、ご本人様や周囲の人が誤嚥していることに気づくことの出来るのが顕性誤嚥(けんせいごえん)。

不顕性誤嚥は、病気が原因の神経麻痺や加齢に伴う筋力の衰えにより気管の感覚が鈍くなることや、嚥下反射の低下が主な原因となり、誤嚥をしてもむせが生じずにご本人様や周囲の人が気づかずに誤嚥をしてしまうことをいいます。

不顕性誤嚥はお食事の際には問題なく飲み込みを行えている方でも、眠っている時にだ液の誤嚥を繰り返している場合があります。

ある調査では、嚥下反射、咳反射の低下したご高齢者の場合、約70%の方が睡眠中にだ液を不顕性誤嚥していると言われています。

重度の摂食嚥下障害をお持ちの方の場合、だ液だけではなくお食事の際の食べものや飲み物を誤嚥してもむせることが出来ずに不顕性誤嚥をしている場合があります。

誤嚥をしているのに、むせが起きないことで誤嚥していることが分からない、不顕性誤嚥には注意が必要です。

非常に分かりにくい摂食嚥下障害を持つ方の不顕性誤嚥ですが、介護の現場で不顕性誤嚥を起こしているか見極めを行う際のポイントをいくつかご紹介させていただきます。

最初に気を配っていただきたいのが声の変化です。食べ物や唾液が気管に侵入すると湿ったような声になります。また、喉の奥からゼロゼロした音が聞こえることがあり、この様な時には誤嚥をしていることが疑われます。

「あ~」などと急に声を出す場合も、咳反射が出来ない代わりに声を出している場合があります。

誤嚥をしている場合は、SPO2の低下も見られるので、食前・食後や食事中にSPO2を測定することは有効な判断基準となります。不顕性誤嚥が疑われる方のSPO2の食前の値と食後の値の比較を行って5%以上の低下が見られる場合は不顕性誤嚥が疑われます。

食べものや飲み物を摂る際にむせていないのに、誤嚥性肺炎を頻回に発症する方、原因がはっきりとしない微熱が続く場合なども不顕性誤嚥をしている可能性があります。

体力のないご高齢者は、不顕性誤嚥を繰り返すうちに誤嚥性肺炎を起こしてしまうことがあるので、日常的に口腔ケアを行い、お口の中を清潔に保つことも重要です。

不顕性誤嚥を診断する検査としては、病院や診療所などで行う嚥下造影検査(VF)や在宅や施設で行える嚥下内視鏡検査(VE)があります。その他にもスクリーニング検査として咳テストなどがあります。

専門医による不顕性誤嚥の診断や摂食嚥下に関するご質問やお困りごとがありましたら、湘南食サポート歯科まで是非お気軽にご相談ください。

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