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食サポコラム

誤嚥性肺炎を予防する口腔ケア(口腔清掃と機能的口腔ケア)

こんにちは湘南食サポート歯科事務局の片山です。


介護の現場を中心に、様々な場所で耳にする「口腔ケア」という言葉ですが、口腔ケアは口腔清掃(保清)と機能的口腔ケアの2つで構成されていることを皆さんはご存知でしたでしょうか?


口腔ケアを行うことが、誤嚥性肺炎の予防に効果を発揮するということが介護や医療に携わる方たち中で認識をされる中、今回の食サポブログでは改めて、誤嚥性肺炎を予防する口腔ケアに関してご紹介させていただきたいと思います。


一般的に口腔ケアという言葉を耳にした場合、多くの方がイメージされる口腔ケアは、歯磨きなどを行いお口の中を清潔に保つ口腔清掃(保清)を指すと思います。


口腔清掃の目的は、歯磨きなどを行うことでお口の中にいる様々な細菌の数をコントロールすることにあります


ある研究では、歯がある方の場合で、口腔内には300~400種類の細菌が存在していると言われ、細菌の数はよく歯を磨く方の口腔内で約1000~2000億個、あまり磨かない方の口腔内細菌数で4000~6000億個、歯をほとんど磨かない方の口腔内細菌数に至っては1兆個もあると言われています。


それらの口腔内にいる細菌の中には、表皮感染症や食中毒を引き起こす「黄色ブドウ球菌」、呼吸器感染症を引き起こすおそれのある「肺炎桿菌」など、全身疾患の原因となる菌も存在します。


口腔清掃を行うことで、口腔内の細菌数を減少させ、呼吸器官(肺)に侵入する菌を減らし、誤嚥性肺炎を予防するというのはとても理にかなっていると考えます。


一方で、機能的口腔ケアには摂食嚥下で初期の段階である咀嚼・食塊形成・咽頭への送り込み運動、更には口唇や舌、噛む力、頬の力などを維持・向上させる摂食嚥下リハビリテーションの1つとして認識されています。


機能的口腔ケアには唾液腺のマッサージ、表情筋のストレッチ、舌の可動域拡大のためのストレッチと舌の抵抗訓練、その他開口運動や噛む動作、頸部筋マッサージなどがありますが、誤嚥性肺炎の予防には、唾液による適度な口腔湿潤が重要だと言われています。


唾液腺マッサージを行うことで、だ液の分泌を促し、自浄、抗菌・殺菌作用など様々な作用があるだ液が口腔内を湿潤させ、お口の中の細菌環境を正常化させる効果が期待されるからです。


口腔ケアで誤嚥性肺炎を防ぐには、口腔清掃(保清)でお口の中の細菌数を減らすだけでなく、機能的口腔ケアの1つである唾液腺マッサージを行い、だ液の分泌を促し、お口の中の細菌環境を整えることでそれぞれの効果が相乗され、より効果的になります。


口腔清掃(保清)だけでもなく、機能的口腔ケアだけでもなく両方を効果的に行うことで誤嚥性肺炎を予防する口腔ケアが成り立ちます。


専門医による歯科診療や介護職員の方たちが行う機能的口腔ケアに関するご質問やお困りごとがありましたら、湘南食サポート歯科まで是非お気軽にご相談ください。



医療法人社団若葉会  湘南食サポート歯科
〒251-0875 神奈川県藤沢市本藤沢1丁目10−14
TEL 0466-84-2000


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