食サポコラム
食事観察(ミールラウンド)
こんにちは湘南食サポート歯科事務局の片山です。
お口から食べることを主眼とした、多職種で行う経口摂取支援の取り組みは平成18年4月より介護保険制度に導入されました。
しかしながら、平成27年の介護保険改定までは経口維持加算(Ⅰ)、(Ⅱ)の算定を行うには、実施が困難と思われる要件が多く、算定を行うことができない施設が多かったようです。
平成27年度の介護保険制度の改定では「自分の口から食べる楽しみを得られるよう、多職種による支援の充実を図る」目的から、多職種による食事観察(ミールラウンド)やカンファレンス等の取組のプロセスおよび咀嚼能力等の口腔機能を踏まえた経口維持のための支援を評価する観点での改訂が行われ、結果として、特養や老健では算定数が大幅に伸びることとなりました。
次回平成30年の医療・介護保険の同時改定では、平成27年度の改定の内容を更に進めるべく、施設のご入所者数に応じた栄養士の配置や在宅での栄養改善の取組みの推進などが検討されているようです。
今回の食サポブログでは、食事観察(ミールラウンド)をテーマに、ミールラウンドを行う際に注視する点、観察の際のポイントなどをご紹介させていただきます。
ミールラウンドとは摂食嚥下に問題があるかもしれない方のお食事の状況を医師、歯科医師、歯科衛生士、管理栄養士、看護師、介護支援専門員等のメンバーが観察を行います。
お食事の際の姿勢の観察評価、頸部聴診や視診での嚥下評価、そして介入手順等の確認を行い介入の内容検討を行うことです。
ミールラウンドを行う際にまず注視するのは、
①食事摂取の状況
②食べる際の姿勢、スピード、一口量
③お食事の環境(机や椅子の高さ等)
④食べ物の認知
⑤食器や食具の種類
⑥食具の使い方
⑦食事介助の方法
⑧食の嗜好
などになります。
誤嚥や咽頭残留の症状として現れるむせや咳、そしてお食事中やお食事の後に声が変わってしまう嗄声(させい)は机やいすの高さの調整や食べる際の姿勢を調整することで改善し誤嚥のリスクを減らすことができます。
お食事の際にぼうっとしてしまったり、キョロキョロとしてしまったりと、落ち着かないご様子で食べものの認知障害が疑われる方の場合はお食事の環境を変えることで状況が改善されることがあります。
食事介助の際に、それまでご使用になられていた食具(スプーンやフォークなど)の形状を替えて、一口量や食べ物を取り込んでいただく場所を変えることで摂食の量が変わることも多々あります。
ミールラウンドの際に痛切に感じることは、介護に携わられる多くの方が創意工夫とご経験を持って日々の食事介助を行われていることです。
介護職員の方たちは「このままの方法で食事介助を続けてよいのか?」、「何かあったらどうしよう・・・」と日々迷われているご状況もあるようです。
食事介助状況の確認やアドバイスを受ける場としてもミールラウンドはとても有効なものとなります。
歯科医師や管理栄養士によるミールラウンド、歯科治療に関するご質問やお困りごとがありましたら、湘南食サポート歯科まで是非お気軽にご相談ください。
医療法人社団若葉会 湘南食サポート歯科
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