食サポコラム
熱中症と脱水①
湘南食サポート歯科事務局の片山です。
熱中症は毎年数多くの方たちの命を奪う恐ろしい病気ですが、熱中症の背景には脱水が潜んでいます。
食サポブログでは2回に渡って熱中症と脱水をテーマに熱中症、そして脱水状態のご高齢者にみられる症状をご紹介させていただきます。
熱中症は「体液の不足で起こる障害」、そして「体温上昇で起こる障害」の総称です。
高温の環境で運動や労働を行うと体温が上がり、上がった体温を下げるために発汗が起こります。
汗は蒸発するときの「打ち水効果」で体温を下げる働きがあります。
しかし、発汗することで体液が失われると、今度は水分の不足から栄養素、酸素、老廃物の出し入れが滞り、電解質の不足から障害が起こります。
さらに発汗が続き、体液が失われると、カラダは体液のそれ以上の喪失にブレーキをかけるために、発汗にストップをかけます。
そうすると発汗で体温を下げられなくなり体温上昇が起こります。
発汗による体温調節機構が維持できなくなると、全身の臓器にダメージが及びます。
もっとも影響を受けやすいのは脳で、脳へのダメージからけいれんや意識障害などが起こることがあります。
熱中症は「どのくらい症状が重たいか」という重症度により、Ⅰ度、Ⅱ度、Ⅲ度の3つに分類されます。
これまでは、熱けいれん、熱疲労、熱射病、熱失神の4つに分類されていましたが、重症度と相関していない部分があったため、重症度に応じて分類が改められました。
Ⅰ度
めまいや立ち眩みを自覚する
筋肉痛やこむら返りがある
拭いても拭いても汗がどんどん出てくる
Ⅱ度
頭痛、悪心(吐き気)嘔吐を認める
疲れやだるさといった全身倦怠感を自覚する。
Ⅲ度
意識障害も認める
けいれんが起こる
体温が高くなる
ご高齢者は温度に対する感覚が弱くなるため、室内でも熱中症にかかりやすいといわれています。
日差しのない室内でも、高温多湿・無風の環境は熱中症の危険が高まります。
空調機を使用することを嫌われるご高齢者も多くいらっしゃいますが、冷房や除湿機・扇風機などを適度に利用し、涼しく風通しの良い環境でお過ごしいただける様、周りの人間がご体調を気にかけることが重要です。
ご高齢者は一般成人と比べ、体内水分量の減少により脱水状態になりやすく、さらに体が脱水を察知しにくいため、水分補給が遅れがちです。
のどが渇く前に、定期的な水分補給をお促しするように心がけることが重要です。
熱中症と脱水症は密接に関係しており、熱中症予防の基本は脱水症予防となります。
次回の食サポブログでは脱水と脱水状態のご高齢者にみられる症状をご紹介させていただきます。
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